ノーパン

帰国していればやはり付き合いの回数も増えるもので、それが仕事に繋がる場合もあるしそうじゃない場合もある。けれどそういうものさしで付き合いを受けるか否かを決めるのも野暮だと思うので基本的に人からの誘いは断らない。折角だし。

しかも今は一年のうち合計しても2ヶ月程度しか日本にはいないので余計に帰国時のアポイントは多い。そんなわけで彼女の期限がすこぶる悪いここ数日です。

「あなたはもう禁酒した方が良いと思う」とは彼女の談、酒を飲まなければ出歩くことも減るだろうと考えての言葉だろうと思う。直接的に言ってこない辺りある程度は理解してるのだと思うけど、それでもないがしろにされているかのような気がするんだろうな、毎回怒るわけです。結構強い言葉も浴びせかけられるけどそういう言葉には悪意が込められていないから受け流すのがベターで、これにうっかり乗っかって苛ついたりすると途端に”攻撃している”と解釈されて強い言葉に悪意が込められ始めて、そうなるともう収集つかなくなるわけです。

人間そんなに長い時間怒っていることは不可能で、大体強い言葉を暫くの間相手に投げていれば段々気分もスッキリしてくるわけで、腹が立つような言い方をされたとしてもじっと我慢すれば良い。そうやってやり過ごしたほうがかえって仲直りがしやすいんですよね。相手も議論を望んでそのような言葉をかけているわけでもないし。

俺ももう別に若いわけじゃないし、社会で生活するという文脈の中でよしとされるものがなんなのか大体推測可能なわけで、そういう自分の目から見ると彼女のスタイルはかえって新鮮に感じられたりするわけです。なんていうの、真剣味みたいなものが感じられるんだよね。日本人だと相手の仕事に関わる事柄については非常に慎重な姿勢を持つじゃないですか。俺なんか特にフリーランスだから私生活と仕事の境界が曖昧なわけですよ、遊んでるように見えて仕事をしていて、仕事をしているように見えて遊んでるわけですよ、だから仲が良い友達でも俺が PC を開いているときはすごく気を使って話しかけてきたりするんですけど、そういうレベルじゃないんですよね。なんていうのかな、「私はあなたが帰国している一ヶ月間、あなたに直に接する機会を犠牲にしてるんだからもっと手厚く扱うべき」みたいなベースがあって、そういうのを気づかせるために「あなたは私を無視している」みたいな湾曲な表現で改善を求める感じ。

そういう風にあけっぴろげに求めてくれるってのは非常にありがたいなと思う反面、不安な気持ちもあるんですよね。これは今後妥協点が緩くなっていくものなのか、常にこのテンションで突かれるものなのか。前者だとするとそのうち負担になりそうな気もするんだけど。

いずれにしろ、こういう野性味のある女性は良い女性だ。